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乳癌からの転移性骨腫瘍 臨床応用研究会 症例No.13 

乳癌からの転移性骨腫瘍 40歳代・女性 池元さん(仮名) 阿左美節子 文
                                  
【発症から転移までの経緯】
 
2010年4月 3月の市の健康診断で要再検査となり、精密検査の結果、右乳癌と診断される。  
・がんの大きさ 3.5cm リンパ節転移有。
・がんの性質  ホルモン受容体陽性  HER2 陰性  核異変度 3
温存手術の後、化学療法(抗がん剤 3週間に1回×4回)、ホルモン療法(1日1錠×5年間)、
  放射線療法(25回)を受ける。
以後2014年11月まで3カ月毎に検査を続けたが異常はみつからなかった。
                                                         
 2014年12月 首に痛みがでたため、整形外科で受診。頸椎症と診断され内服薬を処方された。               
 痛みが治まらなかったため、さらにかかりつけの病院を受診したが、診断結果は同じだった。              
 痛みは増すばかりか、まず両手の指先に違和感が生じ、次に両わき腹がしびれ、足の動きが鈍くなり左手、右手、左足と動かなくなる。                
 2015年1月1日 救急搬送先で「過換気症候群」と診断され帰宅した。
                          
1月3日 両手足のしびれが悪化した為、友人津田さん*に連れられ頸椎のMRIを撮影した。                   
1月5日 緊急入院。                MRIの結果を見て転移性骨腫瘍と診断され、ただちに頸椎への放射線治療が開始(10回)
 この時は右足のみ動く状態で、左手は全く動かなかった。骨密度は80才女性位の数値と言われた。首は腫れ、頸椎2,3,4辺りの骨の一部が溶けていた。ギブスで固定され、全身はしびれていたため、上しか向けない状態だった。この段階でできることは話すことと右足首を動かすことだけだった。
 
 *友人は2011年より難聴、喘息、めまい、頭痛、耳鳴り、帯状疱疹等で苦しんでいた。
それを見て池元さんが彼女のためにオルゴール療法を探し、2013年8月末に友人を連れて研究所へ来られた。友人はその後ローズ「カノン」を購入し、研究所に通って療法を続け、徐々に改善している最中だった。
   
【オルゴール療法の経緯】
 2015年1月5日 右足が動くのを見て、友人津田さんは自分のオルゴール (72弁ローズ「カノン」)を持って病院へ行き、入院直後からそれを池さんにきかせ始めた。頭、顔の両サイド、胸、おなか、体側、腕、手、脚全体、足首等とにかく全身にあててきかせ続けた。月末までTさんはほぼ毎日病院へ通い、90分程度、オルゴールを全身にあててきかせた。自分が行かれない日はご家族にお願いして、両手、足首、おなかにつけて60分程度きかせてもらった。
 2月に入ってからも友人は1日おきに病院へ通い、オルゴールをきかせ続けた。
 
 2月13、14日のみ、144弁アンボイナ「ラカンパネラ」を60分ずつおなかの上へのせてきかせてみたが全身のしびれが強くなり、池元さんが怖がったために中止した。
 
 2月17日 池元さんも72弁ローズ「カノン」を購入。
この頃から、手足の動きが少しずつ戻ってきた。顔に手が届く、食事ができる、補助棒で歩く訓練が出来る。オルゴールをおなかにのせると、腸が動いて排便が出来るようになった。
  
 2月下旬 首のギブスがはずれる。この頃には更に驚異的ともいえる改善がみられた。  
 シャンプーも洗顔も自分で出来る。シャワーも椅子に座って自分で出来る。杖で歩くリハビリをし、お箸も持てる。頸椎の痛みも取れている。指先のしびれは残っているが、ローズを聞いているとポカポカする。Dr.から腫瘍が小さくなっていると言われる。この頃腎盂炎にかかる。  
3月始め 右大腿骨、腰椎に転移。再び放射線治療を受ける。(10回) 
  
 頑張ってきた友人がここで体調を崩したため、家族に助けてもらって極力自力でオルゴールをきくようにする。ベッドの上ではおなかの上にローズをのせ、その上に両手を置いて15分。車いすでは膝の上にローズをのせ、その上に両手を置いて15分。この二つの聞き方を週に2、3回のペースで続けた。
 
 4月始めに退院する。以降アロマシン、リュウプリン、ゾメタ による治療続く。
 退院後は毎日かかさず、就寝時に右の即頭部にローズを置き、15分きいた。昼間体調が良い時は横になって右大腿の脇につけて15分。不調で痛みのある時は痛い部分に当てる。どの聞き方も基本的に1日のうち、15分。30分きける日は少なかった。これを週1、2回のペースでずっと続けてきた。
 
 2016年2月11日、25日、友人と一緒に電車で横浜の研究所へ来られる。転移後初の療法。池元さんはクッションをあてる等試行錯誤して療法用ベッドにあおむけになった。大小様々なオルゴールを使って様子をみながら、80分ほどの療法をする。強いひびきを怖がることはなくなっていた。この頃は両手を万歳の形で上まであげられるようになっていたが、字を書くのが一番つらくて難しい、手足のしびれは常時あるが気にしない、日常生活はふつうにできているとのことであった。
 
 3月3日、24日  一人で杖をついて電車で横浜の研究所へ来られる。 
前回同様、ベッドにあおむけになり、ディスクオルゴールに脚をのせ、144弁、72弁を体にあてて、大型のオルゴールを部屋中にひびかせながら療法をする。療法後、「気持ちよく眠った。」といろいろなお話をしてくれた。
 
 「骨密度は70歳の老人よりはましになった。この間胸が痛かった時に30分ほどオルゴールをその部分に当てていたら痛みが取れた。本当にありがたい。朝の目覚めもいい。きかない日は体調が悪い。」最後に「Dr.がこの1年を振り返り、初めて『奇跡的な回復といえる』」っていうんですよ。」帰り際に字も少し書きやすくなったと言ってご自分の病状のメモを下さる。
4月 胸椎転移。 5月11日より放射線治療をうける。(12回) 
                                
【考察】
 「オルゴールのひびきには脳中枢の血流をあげ、細胞を活性化して、自然治癒力を高める力があり、オルゴールを体に密着させてきくことでより速く効果があがる」という療法の本質ともいうものをご自身の継続的な療法実践を通して体感し、深く理解していらっしゃる方々がいる。友人もそんなクライアントの1人だった。
 
 池元さんのケースでは彼女が緊急入院したその日から友人が動かない池元さんの身体中にオルゴ―ルをあててきかせ続けたこと、池元さん自身も短時間ながらオルゴールを体につけて継続してきき続けてきたことが、脳中枢の血流の改善を促し、抵抗力を高め、初期の様々な改善につながっていったと推察される。
 
 オルゴールが睡眠の改善、痛みの軽減に有用であることは池元さんの話からも理解できる。「首の痛みがなくなりよく眠れて楽になった」ことが心のゆとりをもたらし、厳しい状況下でも自然体、かつ主体的に治療や療法に取り組む姿勢にもつながっているように思える。