再調整
療法用に再調整される特注のオルゴールとは
オルゴール療法研究所はリュージ社のオルゴール造りに永く参画し、技術陣とミーティングを繰り返えし優れた音色を出現しています。
ここに挙げたオルゴールは療法用に特別仕様され、当館の4つの独立工房で再調整されるオルゴールです。
雅子妃殿下ご懐妊の折、当館で特別調整されたオルゴール「エルム」をご用意させて頂きました。(愛子さま「モノ」語り東邦出版 61P.に掲載)
強い響きを得る為にミクロの技術で再調整されます
藁をも掴みたい一心で起こしになる方に病状が少しでも良くなって頂きたいと思っています。 その思いから出来る限り効果の良い特注のオルゴールを再調整してお届けしています。 症状の改善が進むにつれてお喜びになるお顔が私たちの心の支えです。無責任にならないよう良いオルゴールをご用意し,調整に励んでいます。
再調整のオルゴール (1) ダンパーの張り替え
脳幹の刺激に低・高周波を含む強い響きを求めてスイス・リュージュ社に療法用として特別注文のオルゴールです。
木の材質を選ぶことで響きを強く豊かにして効果を上げます。
音弁の裏側に貼られたダンパーを一本一本入念にはがし糊を完全に取り去る為に顕微鏡による精密な手作業が要求されます。時間の掛かる作業です。
音弁の裏側のダンパーをはがした状態です。
この弁の先の摩耗を防ぎ、接触時の雑音を減らす為に音弁の裏にダンパーが貼られています。
新しいダンパーの張り替えにはミリ単位の微量で特殊な糊を使います。
ダンパーが早期に折れたりはがれたりするのを避ける為の処置です。
音弁の裏側のすり減った状態のダンパーです。オルゴールを鳴らしたときに”ギー”という大きな雑音が出ます。そのままお使いになるとハガネの弁がすり減って音程に影響します。
再調整のオルゴール (2) ゼンマイの発する異音の除去
ゼンマイが解けて行くとスプリングハウスの壁、又はスプリングどうしの摩擦で異音を発します。これを前もって少なくします。
スプリングをハウスからゼンマイを抜き取り、伸ばした状態で潤滑油を完全に拭き取る作業です。
ゼンマイをスプリングハウスに戻す前に新しい潤滑剤が適量塗布されます。これに工房独自に考案された潤滑剤が使用されます。
オルゴールを動かす為に強いゼンマイを使用する必然から、スプリングハウスの異音を長期完全に取り去ることが難しく、異音が出れば工房で新たな潤滑剤と取り替えています。
再調整のオルゴール (3) ダンパーのカッティング
耐用年数が100年のスイスオルゴールでも療法用に毎日数時間使用するとダンパーが損傷します。 その為、療法用に長期間の使用に耐えるように糊を微量にして折れを防ぐ目的でダンパーを前もって72弁も144弁も全量の張り替えを行っています。 ダンパーを張り終え乾燥後ダンパーの先を切り揃えます。 音弁を設置して異音が出れば再度張り替えカッティングをし熟練者でも1日掛かることもあります。精緻な手作業が要求されます。
再調整のオルゴール (4) 調整
美しい音は、自然倍音が豊富です。高・低周波が強く出るのです。脳の中枢部に刺激を与える為に充分な高・低周波が必要です。その為に当館で特殊な調整をします。
脳の中枢部を刺激する為には荒い音ではない強い音が必要です。高周波から低周波に至る響きは、優れた倍音に依存します。その為に音弁とドラムに植えられたピンの絶妙な接点が要求され響きが最も良い接点・ポイントを探ります。 顕微鏡では得られない、音にたいする感のようなものが要求されるところです。
美しく豊かで強い音に仕上がります。
[注] オルゴールは極普通に使えばば100年の使用に耐えるとされています。
しかしオルゴール療法では、1日に合計して3時間から5時間聞かれることも多く、その為に当館でダンパーの張り替えや再調整をしてお渡ししています。それでも短期間に沢山お聞きになるとダンパーなどが傷み異音を発します。半年から1年くらいで出ることがあります。そのときは再度当工房で調整をさせて頂きますので安心してご使用下さい。