スイスオルゴールの最大の特徴は澄んだ美しい音色と重厚な響き、そして聞くだけで身体の不調が改善するという療法としての作用があることです。
日本オルゴール療法研究所の佐伯吉捷所長は、この不思議な力に注目し、スイスオルゴールを使ったオルゴール療法を確立しました。
佐伯所長は大阪大学産業科学研究所の協力により、スイスオルゴールの周波数を調べました。すると72弁以上のスイスオルゴールには3.75ヘルツの低周波から10万ヘルツを超える高周波が存在することがわかりました。
人の耳に聞こえる周波数は20〜20万ヘルツです。つまり可聴域をはるかに超えるスイスオルゴールには脳幹の血流を促す作用があることが明らかになったのです。
脳幹は脳の深部にあり、血圧、体温、ホルモン分泌などをコントロールする自律神経の根本です。脳幹の血流が増えれば自律神経がうまく機能するため、コントロール機能が働いて体の悪いところは自然に修復されます。
自然治癒力を高め、不調を改善する、それがオルゴール療法のメカニズムなのです。
実際、佐伯所長がこれまでに確認した改善症例は数え切れないほど、スイスオルゴールを治療に導入する病院もあり、医療機関でも注目が高まっています。
その一つで院内に専用のセラピールームを作り、オルゴール療法を治療に取り入れている岸本病院の岸本純子副院長は次のように語ります。「うつ病、甲状腺疾患、高血圧、夜間頻尿、湿疹、腰痛など。これまであらゆる症状の改善を目の当たりにして、その不思議な力には驚くばかりです。オルゴール療法は副作用もなく、患者さんに安心して勧められる優れた療法です」
さらに、今年1月にはアメリカのライナスポーリング記念財団より予防医学アカデミー賞を受賞しました。「ノーベル平和賞と化学賞を受賞した故ライナスポーリング博士の記念財団から予防医学という分野でオルゴール療法が評価されたことは、非常に意義のあることです。今後オルゴール療法が世界へ広がる可能性に期待が膨らみます」と佐伯所長は語ります。
オルゴール療法に使われているのは主に、スイス製のシリンダーオルゴールです。シリンダーと呼ばれる金属製のドラムにピンが植えられていて、それが音源となる、はがねの板(櫛歯)を弾いて音楽を奏でます。くし歯の歯一本一本は弁と言います。72便は歯が72本あるということです。
大自然の癒しの響きをオルゴールが再現
スイスの職人の卓越した技術と感性によって作られたオルゴールは豊かな倍音を生み出します。倍音とは一つの音を鳴らした時その音の周波数の2倍3倍と整数倍の周波数を持つ音が、同時に出ることです。スイスオルゴールの持つ驚異的に幅広い周波数はこの倍音によるものだと考えられます。一般的には倍音は最高の演奏状態の時にしか生まれないと言われています。
オルゴール療法では72便と144便のオルゴールを使います。活動時には働く交感神経、リラックス時に働く副交感神経の切り替えが、うまくできないと体には様々の不具合が起こります。
代表的なものは鳥や虫の声、川のせせらぎなど多くの音がある自然環境です。私常盤台自然の幅広い市大松の中にいてこそ健康モノレールのかもしれません。
コンクリートに囲まれた現代、大自然のいやしの響きの代わりとなるのがオルゴールとも言えます。CDなどの電気の音には人の可聴域の周波数出ていません。スイスオルゴールが一番です。多くの人を引き続けてやまないスイスオルゴールの音色を聴いてみてはいかがでしょうか。ジャーナリスト成田智子