「5才の時に腎炎に罹り、小学校を卒業するまで医者に通いました。花粉症がひどくアレルギー体質で毎春が悩みの種です。昨年の5月に結婚式を挙げました。その披露宴の席でウエディングケーキにラップがかかったまま会場に出て来たのです。控え室で確認して、はずすように特にお願いしておいたのにと怒りがこみ上げました。その興奮からでしょうか?その後運転している自分の車が他の車にぶっつかる程に行動がおかしくなりました。
やがて鬱の症状が出て、6月には死にたいと思うほどになりました。自分が居たら廻りが迷惑をすると思うようになり、その後死のことは考えなくなりましたが、一時はそんな気持ちにもなりました。
その頃から全てのものが汚れている、きたないと感じ始めました。お風呂で石けんを丸ごと1個使うようになり、強迫性障害と診断されました。
道路のきたなさが気になり、下ばかり見て歩きます。自転車が傍を通ると体をよけてやり過ごします。道路に触っているタイヤのきたなさが気になるのです。下着も着替えては洗濯ばかりするようになり、お風呂に入ると石けんを一個丸ごと使います。
シャワーで飛び散った石けんの飛沫がお風呂に入るとダメで、又水を入れ替えます。シャワーは2時間出しっぱなしにし、お風呂に入ると約2時間は掛かります。水道代は10倍に跳ね上がり父が請求書を見てびっくりしました。地面に置いた段ボールが我慢できませんでした。地面は犬や猫のオシッコやウンコが気になってだめなのです。以前は犬も猫も飼っていて世話もしていたのにと思ってもどうしようもないのです。
地面を転がるサッカーボールがきたないと感じます。以前は何ともなかったので、『平気、平気』と自分に言い聞かせて無駄でした。地面におしりをつけている生徒達も我慢がならず、汚れた風の衣服をまとった人が来ると、体が固まり、体をよけて通り過ぎるまで待ちます。ブランコは子供達が立ったまま靴で乗り、それに腰掛けるのはとても出来ないのです。軟便に紙を使うとどちらの手で拭いたかが気になり、迷って石けんが無くなるまで使います。トイレのノブを触ることが出来ず、お手洗いの蛇口をどちらの手で触ったかと気になり蛇口をいつまでも洗うのです。そして、母にも同じように石けんを使うことを頼みました。
アルコールの入ったウエットティシューは毎日100枚は使います。鬱もひどくそれを両親にも友人にも知られたくなくて、じっと耐えるしかありませんでした。 関連の本を買って来てひとりで読み、もうこんなことはいやだと思い悩む日が続いたのです。
自営業の主人も理解し、協力してくれますが、一向によくならず、益々気負を感じ、何とかしたい気持ちはありますが、どうしようもなく日が過ぎて行きます。手を洗うようになったのは、以前栄養士だった頃に『トイレの後は水だけではダメだ、石けんを使用するように』と石けんの使い方を厳しく上司に教わり、アルコール消毒を徹底された、そのことが頭に遺っていたこともあると思います。会社ではパソコンを8時間から12時間使いました。残業も毎日で同僚も泣きながら辞めてゆく過酷な仕事でした。ストレスもたまっていたのだと思います。
主人が見かねて、ホームページを沢山見て、オルゴール療法の中に強迫性障害を見つけてくれました。母と2月4日に、すがる思いで2日間で3回、大阪梅田の個別療法に参加することにしました。
始めてのオルゴールの音はとてもいやなものでした。我慢が出来ないと思いました。母は気持ちよさそうに眠っているのに私は眠れませんでした。不思議にも療法が終わってすぐに気分が良くなり地下街で食べ物を買ったり、ウインドウショッピングをしたり、いつも重たい気分だったのに、母の前を歩いたりして体が軽くなっていました。ところが、勢い余って浮浪者にぶっつかりそうになったのです。服をすぐ脱いで、母に消毒の薬を買って来てもらう間も、たまらなくてぐるぐると歩き回り、走り回りました。ホテルに落ち着くまでは自分でもどうしていたか、分からないくらい大変だったのです。
オルゴール療法を初めて5回目、鬱病が良くなって来ました。耳の後ろの緊張が解けて楽になりました。石けんの減り方が極端に少なくなりました。以前は一回で1個使っていたのが、今、3日間から5日間持つようになりました。お風呂も2時間掛かっていたのが早い時は40分間であがれるようになりました。
研究所から楽しい、幸せなことを書き出すようにと指導され、夫とメールで『楽しいこと』をやりとりしています。未だトイレのノブが廻せませんが、石けんの使用量やお風呂やシャワーの使う時間は3分の1に減って来ました。初日の療法はだめでした。自宅で出来るレンタルのオルゴールを聞いても、きつかったのが、療法に来るたびに良くなっています。
オルゴールに身をまかせられるようになり、療法の後では顔が温かくなります。オルゴール療法に来て良かったと思います。療法でテーブルに頬をつけると脇腹や首が痛かったのに、最近は痛みを感じません。療法中にぐっすり眠れるようになりました。強迫性障害がオルゴール療法で楽になって行くので、以前は両親にも話せなかったことまで研究所にお話が出来るようになりました」 3/27
「6回目、自分でもとても明るくなったと思います。気分的に楽になっています。廻りからも『表情が出てきたね』『お化粧するようになった』と言われます。以前は寝られなかったのに、今は寝過ぎる程になりました。お陰様で石鹸1個が1週間持つようになり、お風呂は30分で上がれるようになりました。
強迫性障害の症状が、嬉しいことに、次第に軽くなっています。アルコールのウエットティシュー100枚は今ほとんど使わないで済みます。まだ、よそのトイレが使えません。知り合いのトイレは使えますが、公衆のトイレはだめです。地下街も楽に歩けるようになりました。以前は自転車が体に触れなくても触れたように感じていたのが、今はなくなりました。いつも床をきたなく感じて母にしつこく拭いてもらっていたのにそれも気にならなくなりました。お金を触るとアルコールで拭いていたのが、今はほとんどしません。
トイレのノブを触ったのが右手か左手か解らなかったのに、最近は どちらの手を使ったか確かになりました。強迫性障害も鬱も確かに軽くなっているのを 感じます。
私の症状が軽くなるにつれて、『何もしたくない』と言っていた主人の鬱的な症状 がなくなり、『5月で1年になる、戻っておいで』と言ってくれるようになりました」
4/13 20歳代女性 J.K. 三重県