「母が心臓疾患で余命宣告を受けたんです」とお電話をいただきました「もう間に合わないかもしれませんが、オルゴール療法で蘇生が可能ですか?もう10年生きて欲しいのです。戦争経験して生きてきたのです。食事のできない時に、私たち兄弟を食べさせるために苦労しました。その苦労を思うと、不憫でなりません。」
男性は、お母さん思いで、命をつなぐために、オルゴール療法を見つけられたのでしょう。「医者から余命宣告を受けたお方に、間に合うかどうか分かりませんが、強い響きが必要です」すぐに間に合うディスクオルゴールお勧めして、ご用意しました。
しかし、余命宣告を受けたお母さんに、間に合いませんでした。その男性は「オルゴールはこのまま貰っておきます。母の形見だと思って大切にします」。きっとお母さん思いの優しい男の子で、そのまま、大人になったのでしょう。道端でお話しした姿を忘れません。そして改めて生体の仕組みを考えてみました。
肺と心臓は、生体の命を守るために、最も大切な臓器と言われます。臓器を守る脳に、脳幹と視床下部があります。心臓と肺を機能させるために、脳幹があり、神経、ホルモン、代謝、体温調節、飲食機能は、視床下部の役目です。
どの臓器も命をつなぐ為に、大切な機能を持っています。その最も大切な心臓に、その男性のお母さんは疾患を持たれたのでしょう。心臓が止まれば、機能しなくなれば、命を閉じるのですが、必死の介護のかいも無く、亡くなられたのでしょう。
息子さんが祈る気持ちが通じず、余命宣告されたお母さんに非力でした。オルゴール療法は、心臓をコントロールする脳の機能を元気にする、機能的に救うという大切な調整機能を持っていますが、さまざまな要因が、有って命を救うことが出来ませんでした。
ただ、ご冥福をお祈りするばかりです。 日本オルゴール療法研究所 所長 佐伯吉捷