◯認定 オルゴールセラピスト短期養成講座を受講して Y.M.さん

“ひびき”による脳からのオルゴール療法

 

オルゴールセラピスト短期養成講座を受講して Y.M.さん

 

<オルゴール療法との出会い>

 私がオルゴール療法に出会ったのは、昨年、知人より素敵な人がいると角山さんを紹介されたことに始まる。角山さんは、静岡県富士市在住のオルゴールセラピストで、わたしの住まいから車で約20分のところにセラピールームを開いておられる。私は約20年前、介護の勉強をしていた時に、スイス製のオルゴールを聞くことが脳に良い影響を与えるらしいと知り、スイス製オルゴールに憧れに近い感情をもっていたので、ぜひお会いしたいと思った。しかし、8月末にかかりつけ医で受けた定期健診で極度の貧血であるとわかり、富士宮市立病院を紹介された。検査の結果、ステージ2aの胃がんであると診断された。そのためにオルゴールセラピーを受けるのは半年後、手術のあとになった。

 

のんきな性格の私は、体調が悪いのは仕事が忙しすぎることと加齢のせいで、今抱えている大きな仕事が終わればいつものように元気になると思っていた。がんの宣告を受けても、うろたえたり、死への恐怖に襲われることはなかった。信仰と、死生学を学んだことによって、この世に生を受けた者はすべて死へと向かって生きている存在であり、命ある時をいかに生きるかが人間の命題であると理解していたからであると思う。そして、オルゴールセラピストの角山さんが近くにいらっしゃるという情報も、これから生きるための一条の希望の光であった。

 

また誠実な医師との出会いも感謝なことであった。10月6日に胃の4分の3強を切除する手術を受けた。腹腔鏡手術で行われ、術後の回復も順調であった。患部はきれいに切除できたが、再発予防のために抗がん剤ティエスワンの服用を打診された。医師と薬剤師から術後補助化学療法の説明を聞いて服用することにした。おりしも、TVで同じ薬を服用し再発もなく元気に暮らしている方が紹介されたことも、気持ちを後押しした。11月15日から一年の予定で服薬を開始した。抗がん剤を飲まない方が良いということも聞いてはいたが、今現在の医療の実際を経験してみようと思った。副作用は、飲み始めた1か月ぐらいはほとんどなく拍子抜けしたようであったが、その後、激しい下痢の症状が出た。また手の平と甲、足の甲と裏が乾燥し色素沈着が現れた。薬の量と服用する周期を調整して何とか服用を続けることができるようになった。

 

そのような状況の中で、今年の1月16日に、始めてオルゴールセラピーを受けることができた。ベッドに横になり、ボックスの上に置かれたオルゴールの奏でるカノンの美しいメロディーと音色に夢見心地になっていると、膝の裏に大きなオルゴールが当てられ、ラ・カンパネラの曲が響いて来た。異なる曲を同時に聞くのは初めてであるし、信じられないことであった。しかし、初めて体験する響きにそれほど大きな違和感を感じることもなく施療は終わった。終了後、体は暖かくなり顔の血色もよくなっていた。初めてのセラピーで、オルゴールは不思議な力をもっていることを実感した。その後1~2回セラピーを受け、友人と二人でセラピーを受けることも経験した。角山さんのセラピーハウスでのグループ療法も素晴らしい体験であった。角山さんから横浜支部で個別療法を受けることを勧められた。

 

仕事をやりくりして2月13日に横浜に行くことができた。横浜支部では、ディスク式のオルゴールやストリートオルガンが同時に奏でる強い音を聞いて驚いた。セラピストの阿左美さんの説明と経験談から、オルゴールの力の凄さが伝わって来た。自分の病気のためにも必要であると思ったが、子供、孫、知人、友人など、オルゴールを聞いてもらいたい人々の顔が浮かんで来た。幼いころ、アトピーと気管支ぜんそくに苦しんでいた息子のことが思い出され、あの頃、オルゴールを聞かせたかったと思った。とりあえず、ローズセットを注文した。届いたのは4月初旬であったが、その時期は会議が多く、ゆっくり聞き始めることができたのは5月の連休になってからであった。

 

聞き始めると、抗がん剤の副作用の激しい下痢が治まった。そして手と足の乾燥と色素沈着が徐々に良くなっていった。子どものころから肩こり性で困っていたが、体全体に感じていた凝りもほぐれてくるのが分かった。筋肉がほぐれ歪んでいた骨格が正常に近くなっていくとともに、体調が良くなった。体が凝り固まって辛かった頃を思うと、元気になったと感じ、癌のことを忘れそうになる。就寝前に熱めの風呂に入り、オルゴールを聞くとぐっすりと眠ることができる。朝起きた時の顔はふっくらとして、しみが薄くなっている(残念ながら、時間がたつとやつれてくるのだが)。何よりも美しい音色を聞くことによって心が安らぎ、希望を与えられることが嬉しかった。このオルゴールの響きは身体だけでなく人の魂をいやす力をもっていると確信した。

 

<オルゴールセラピスト短期養成講座を受けて>

養成講座を受講したのは、7月10日の東京日本橋支部で行われたオルゴール療法一日勉強会に出席し、佐伯所長のお話しをうかがい、もっと勉強したいと思ったからである。オルゴールを聞き始めて間がないこと、セラピーも数回しか受けていないことを心配したが、所長がいいでしょうとおっしゃってくださったので受講した。年齢のせいもあり勉強するのは一刻も早くという焦りも少々あった。やはりこの講座を受けるための準備が不十分であったと思うが、この時期に佐伯所長の講義を受けることができて幸いであった。感謝申し上げたい。

 

何よりも感謝していることは、私が癌になった原因を明確にしてくださったことである。自分では胃がんになったのは、生活習慣によるものが大きいと考えていた。食生活、生活リズム、仕事を最優先した毎日などに問題があったと考え、消化器系の病気であるから食事を中心に生活全体を整える努力をしていた。そのため、所長が「現代は環境が破壊されたことが病の原因である」と繰り返し語られることを頭では理解はしていたが、自分の病と結びつけて考えることができなかった。所長は私が電磁波の脅威を理解していないことを指摘されたが、確かに自分の環境には電磁波の脅威はあまり及んでいないと思っていた。

 

パソコン、電子レンジ、諸々の電気器具、電線、鉄道、など、自分の周りにある電磁波の発生源を検証した。富士宮は富士山の登山口のある町で自然環境には恵まれている。空気はいい。特に水は富士山の伏流水であるから、水道の水も浄水器をつける必要はない。一人暮らしであるので料理もあまりしない。電子レンジは温めに重宝に使っているがそれほど頻繁ではない。教会の前は広い道路であるが、渋滞もなく排気ガスもそう多くない。電線は地中に埋設されている。鉄道も単線であるから都会の状況とは異なる。教会は木造モルタル造りで自然の素材でできている。礼拝堂に併設される牧師館に一人住んでいるが、とても贅沢な住環境である。私はエアコンはあまり使わない。一つ一つを消去法で見ていくと、最後に残ったのはパソコンである。

 

体を観察してみると、胸から下は比較的元気である。運転をしないので毎日歩いて買い物に行き重い荷物を担いで帰る。胃を切除したにもかかわらず、食欲もあり、おいしく食事をいただいている。抗がん剤の副作用の下痢の症状はあるものの、消化器も正常に働いているようだ。脳も衰えは感じるが、仕事に支障はない。いちばん弱っていると感じるのは眼である。ドライアイ、涙目、遠視、近視、乱視の眼の衰えを感じる。ハズキルーペをかけないと仕事がしづらい。眼瞼が衰えやせ細り張りがなく色素が沈着している。これは長年パソコンで勉強や仕事をして、目を酷使し続けてきた影響としか考えられない。

 

私は2005年、59歳の時に日本聖書神学校に入学した。牧師になるためではなく病の人、一人暮らしで孤独な生活をしている人々などに、個人的に聖書の言葉、キリストの福音をお伝えし、共に手を携えて生きることができればと思っていた。そのためにはキリスト教の教えを専門的に学ぶ必要を感じていたからである。それまではパソコンは苦手と敬遠していたが、授業の準備、レポート、卒業論文などパソコンはとても役に立つ、というよりはパソコンなしでは不可能であったと思う。若いころ英文タイプを習っていたので、基本的な操作を覚えると使いこなせるようになり、なんと素晴らしい道具であろうかと感嘆した。

2009年に神学校を卒業し、スピリチュアルケアを研究するために、聖学院大学大学院に入った。在学中の二年間、修士論文を書くためには、パソコンは大きな力であったパソコンの力を借りながらなんとか論文を書き上げることができた。

2011年、東北大震災歳の直後、静岡県富士宮市にある日本基督教団富士宮教会に伝道師として赴任した。個人的にキリスト教の福音を伝えたいという私の思いとは違っていたが、教会で働けることは畏れ多いことであり、用いられることは大きな喜びでもあった。教会では仕事は山積みになっていたが張り切っていた。65歳の時のことである。教会での説教準備、毎週日曜にある礼拝の式次第の作成、勉強会の資料作成、教会役員会の記録、会計など、パソコンはここでも大きな働きをしている。高齢者の多い教会では、パソコンを使う事務仕事は私が引き受けることになる。

2013年には、牧師になるための試験を受けなければならなかった。昇級試験のようなものである。6科目のレポートと神学論文の提出が課せられた。ここでもパソコンの力を借りてレポートを提出し、筆記試験、面接を受け合格した。その後、教会の仕事の外に、静岡県東部の23教会で構成する分区委員会の書記の仕事が与えられた。委員会の記録と年に一度開催される分区総会の資料を作成しなければならない。それは小冊子を作るぐらいの膨大な作業を一人でしなければならない。

 

 このように書き連ねて、2005年から2017年に発病するまでの期間、パソコンは確かに私の右腕として、勉強と仕事を助けてくれていたことがよく分かる。

パソコンに向かい仕事をするのは、だれにも邪魔されない夜間になる。これは健康に良くないことであった。しかし、私はこの年齢で働けるのはパソコンを操作することができるからと誇っていた。教会の人たちはそんな私に、少しでも仕事がしやすいようにと大型ディスプレイを購入してくれた。画面が大きく視力が衰えてきていたので喜んでそれを使い仕事をして来た。しかし、この大型ディスプレイの導入は、体には悪い影響を与えていたのではないかと思われる。最近はこのパソコンを使って仕事をするのがつらく感じられるようになっていた。佐伯所長に電磁波の恐ろしさを教えていただき、私の体に異変が起きた最大の原因はパソコンを通して浴びる電磁波であったのではないかと思い当たった。

 

 癌の大きな原因は体の冷えであるとも教わった。私は幼いころから静かな性格であった。それは体質のせいであったかもしれない。子どもの時から、内臓にはなんの問題もないのだが、体調がすぐれず疲れを感じやすかった。父に連れられて針治療に行くと元気になった。鍼灸師からは「気」が弱っている、あまり無理をさせない方が良いと言われ、体を鍛えるということをせずに育った。長じて自分の体質を観察し、体調不良は血液、リンパ液、体液の流れが悪いことである感じていた。その体質を運動などで直そうとは考えずに、マッサージ、鍼灸治療に通い元気を取り戻し、児童英会話教室の講師の仕事をしていた。今は鍼灸治療やマッサージに通う必要性は無くなった。これはオルゴール療法によって改善されるのは確実なことである。自宅でオルゴールをひたすら聞くことによって改善されてきている。

 

病の原因が自分なりに納得できたことによって、これからどのように生活をしていけばよいかをちゃんと考えることができるようになった。パソコンを使わないで今の仕事を続けることはできないが、仕事のやり方を考え、なるべくパソコンの前に座る時間を短くする。またその影響から体を守ってくれるオルゴールを聞く時間を増やし、聞き方も勉強したいと思う。セラピーも積極的に受けたいと思う。何もしないで長生きするよりも、私はオルゴール療法の助けによって、今の働きを少しでも長く続けたいと思う。仕事が生きる喜び、張り合いを与えてくれるので、命を大切にする気持ちが強くなるのも事実である。病の後も必要とされている幸せを感謝して、毎日を暮らしている。「7時以降は仕事をしないように」との、所長のご注意が守れていないときもあるのだが、そんな時は、オルゴールを抱きながら仕事をするようにしている。一泊の出張も、アークをもって出かけ、電車の中、宿泊先でもカノンを聞いている。疲れが出ることも少なくなって嬉しく思っている。

 

<オルゴール療法>

 オルゴール療法は、佐伯所長の一台のスイス製オルゴールとの出会いから始まった。スイス製のオルゴールは、音色も美しく箱も美術品としても価値のあるものである。その素晴らしさに魅了された佐伯所長は、1975年、オルゴールを日本に広げる働きを初め、オルガンコンサートを各地で開いてこられた。コンサートに参加した多くのオルゴール愛好家から、音楽的魅力のみならず心身が元気になった、生き生きとした本来の姿に変えられるという報告が多く寄せられた。誰も想像しなかったことが起こったのである。当時、その出来事を説明することができる人はいなかったであろう。奇跡的出来事である。

 

 オルゴールの持つ不思議な力が、科学的に解明される時が来た。1995年に、

旧文部省の大橋力、京都大学の柴崎教授のグループが、人間の耳に聞こえない音の波である高周波と可聴域を含む音が脳幹と左視床下部の血流を促進するということを第4回神経科学国際大会で発表された。その内容は以下の通りである。

 A 高周波を含む音楽では全身の感覚を大脳へ送る中継点の視床下部と自律神経などを司る脳幹の血流を増大させた。

 B 高周波を削った音楽では血流が減少した。

  C 22キロヘルツ以上の耳では聞こえない高周波だけの音では通常とは変わらない。

  • Bのような可聴域だけの音や、Cのような高周波だけの場合では血流は増大せず、両方が組み合わさったAの場合のみ血流は増大している。

 この発表をきっかけに、多くの事例が証明しているオルゴールの持つ優れた力が検証されていった。

 

 オルゴール療法は、オルゴールが美しい音楽を奏でる時に小箱からあふれ出る「響き(ひびき)」によって脳の自然治癒力をあげ、様々な疾患を複数、心も体も同時に改善する世界で初めての根幹治療法であると佐伯所長は言われる。

 

その響きは、スイスで職人が心を込めて制作するオルゴールから生まれる。音楽を奏でる楽器の部分と、それを共鳴させる箱とのコラボレーションで生まれるのである。オルゴールの響きの中には、人間の耳には音として聞こえない高周波と低周波が存在している。大阪大学で測定されたデータによると、オルゴールが奏でる響きには3.75ヘルツの低周波から、10万2000ヘルツの高周波が測定されている。このような周波数は、パナマの熱帯雨林やバリ島の農村庭園で測定されているが、現代社会の都市部では環境の破壊のため消滅してしまっている。高周波と低周波の消滅が人体に多大な影響を及ぼし様々な疾患が生じている。オルゴールの響きがその働きを代替することができるため、あらゆる疾患を治癒することが可能なのである。

 

 オルゴールの「ひびき」は、人体にどのように作用するのであろうか。「ひびき」は、脳の脳幹・視床下部に働きかけ活性化させる。脳幹は、大脳の下方中心部に続く、中脳、橋、延髄の三つの部分からなる。大脳を支える幹という意味をもつ。系統発生学的に最も古い脳で、心臓を中心とした血液循環、血圧、呼吸、嚥下といった生命活動の基本を司る中枢である。呼吸や循環器系の中枢は延髄にある(成美堂出版「脳の事典」52頁参照)。視床下部は、小さな器官であるが、体内環境を調整する、重要な役割を担っている。一つは、自律神経系の制御である。自律神経系は、内臓の働きや、血圧や血糖値、脈拍、体温などを無意識下で調整し、生体環境の均衡を保とうとするホメオスタシス(恒常性)を維持している。ホメオスタシスは、自律神経系とホルモン系の運動によって保たれており、視床下部はこのホルモン系の制御もおこなっている(前掲書44頁参照)。脳幹と視床下部の機能を見ると、「ひびき」がこの部分を活性化し、本来の機能を回復させるならば、自然治癒力が増強され、ほとんどの疾患・症状を「溶かす」ことができるのはうなずけることである。オルゴール療法では身体のさまざまな症状を「溶かす」という言葉を用いておられるが興味深い。

 オルゴール療法の最大の効果を得るためには、療法に用いるオルゴールが重要である。療法で用いられているスイスオルゴールは200年の伝統を持っているが、金属の堅さ、重さ、木の材質、調律法など、熟練した職人たちのすぐれた感性、音を見分ける感性と高い技術から制作されており、脳への効果が大きくなる。また、美しい音色、ハガネの強い音、木の共鳴音、すぐれた調律法などがその効果を最大に引き出している。最高のオルゴールが、最高の力を出すことができるように最大の努力がはらわれていることに敬意を表するものである。

 

 オルゴールの聴き方によって、もその効果に大きな影響が出る。療法用には、超低周波3.75ヘルツから100キロヘルツを越える超高周波が検出されている72弁以上のオルゴールを用いる。オルゴールを普通に聞くだけでなく、響きを手やあごや頬、あるいは患部に直接つけて聴く。それは音の波は耳だけでなく、可聴域(20~20キロヘルツ)を越える高周波と低周波の空気振動を、個体伝導の効果と空気伝道の力も両方利用するためである。響きが、皮膚、筋肉や骨を通して伝導する力を引き出すのである。響きの効果は90%、曲の効果は10%であると言われている。「72弁のカノン」と「144弁のラ・カンパネラ」の響きの効果は最も優れているといわれる。佐伯所長は講義の中で、血流速度もまた大きな働きをするので重要であると強調された。治療速度も速くなるのである。そのためには強い音が必要である。シリンダーオルゴールとディスクオルゴール、オルガンの併用でその効果が大きくなる。どのように、どのタイミングで、どのような組み合わせで聞くか、どこにオルゴールを置くのが効果的かなどの技術的な面を、今後、学んでいきたいと思う。

 

<これからの展望>

 私は今、胃がんと闘病中である。自分自身の健康の回復をまず第一にしなければならないと思う。しかし一方で、夫の死後、妻として母としての役割から卒業したので、若い時に考えていた奉仕の仕事を志し、その仕事が与えられている。私が関わっている人々、あるいはこれから関わる方々にオルゴールの「恵み」を、お知らせしたいと願っている。オルゴールの持つ大きな可能性を確信しているからである。それは、キリスト教的に表現すれば病む人とへの「福音」である。しかし、この「福音」を世の中に伝えることは大変難しい仕事でもある。私が現在置かれている場所での可能性を模索していきたいと思っている。富士宮教会の礼拝堂は音響が大変素晴らしいので、いつの日かコンサートを開くことができればと夢見ている。夢は大きいが、まだオルゴール療法の入り口に立ったに過ぎないから、夢も育てつつ自分も成長したいと願っている。

 

 オルゴール療法の初心者である私が、このようなことを申し上げるのはおこがましいことかも知れないが、次のような思いにとらわれている。それは、オルゴールは、これまでに心と身体に素晴らしい働きすることが多くの症例から解明されているが、それ以上の働きをしているのではないかと思うのである。身体と心のレベルで働くだけでなく、人間の核心に存在すると考えられている「魂」あるいは「霊性」に働きかけるものがあるのではないかと考えている。これは宗教者として直観かもしれないし、妄想かもしれない。私自身はもうそうではないと思っている。魂にかかわることを、検証し実証することは、人間のレベルでは困難である。しかし、人間は、自分の奥深くに心以上のものが存在することを知っている。その存在に気付かない、あるいは無視している人がいることも事実であるが。

 

 近年、霊や魂、スピリチュアリティについて関心が高まっている。不安な社会情勢を反映して、人々は一時的な安らぎや癒しを求めて、スピリチュアルな癒しがブームとなった時期もあった。安易にスピリチュアリティに関わる風潮に危惧を抱いているが、世界保健機構(WHO)の執行理事会が憲章の見直し作業の中で、健康の定義にスピリチュアルな健康(spiritual well-beinng)を加える必要性を提言したことにより、医療や福祉の分野でもその重要性が注目されるようになった。しかし、その提言は1999年の第52回総会において憲章改定の必要性は緊急でないという理由で採択されなかった。それは残念なことであったが、この議論は、スピリチュアルな問題が人間の本当の健康にとって、必須の重要な事柄であることを医師、看護師、介護士、カウンセラーなど、健康にかかわる仕事に携わっている人々に気づかせたと言える。そして心ある人々はそれを実践してくださっている。

 

最近になって、これまでのカウンセリング理論ではどうしても対応できない事例に出会うことが多くなり、心のレベルでなく魂のレベルでかかわる必要を感じているという何人かの心理カウンセラーに出会った。言葉を媒体とした関わりの限界もあるであろう。そんな時にオルゴールの響きが魂・霊性に届き、いやしてくれるはずであると思う。古代から哲学者や宗教家によって魂や霊性がどこに存在するのか、考えられてきたがまだよくわからない。人間の中心部にあると考えられているが、それは脳の深奥にあるのかもしれない。そうすればオルゴールの響きが魂や霊性を正しく機能するように作用することは当然であると考えられる。全くの素人の私がこのようなことを臆面もなく記しているのは、私が今、現実にそれを感じているからである。礼拝堂に一人座ってカノンの響きに包まれる時、私は魂の汚れが溶け去るように感じる。このことを実証する力は私にはない。しかし、オルゴール療法が始まったのは理論からではなく、現実に起こった事実からでありそれが実証されていった経緯を思う時、魂・霊性をも回復させる響きであることを証明できる時も来るかもしれない。

 

佐伯所長は、「病は単独では直せない。全身の機能が回復したならば、すべての病気は症状と共に消える。」といわれた。身体、心、魂、霊性のすべてを真に健康にする、ホリスティックな根幹治療としてのオルゴール療法をもっと深く学び、苦しんでいる方にお伝えし、元気になっていただくためにお手伝いたいと思う。3日間の短期講座の中で、佐伯所長がこれまでに大切に育ててこられたオルゴール療法のすばらしさを教えていただき感謝申し上げたい。しかし、あまりの充実した内容に、また講義を聞くための準備が十分にできていなかったために理解できなかった所もあったり、その分量の多さについていけなかった部分もあった。これからの研鑽の必要性を強く感じている。

 

      感謝して                 2018年9月10日 セラピスト短期養成講座受講生 Y.M.さん 女性

 

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「注」ひびきの療法が全ての症状を改善するものではありません。

自然界の“ひびき”によるオルゴール療法は、脳がコントロールするために心も身体も全身の不調を複数、同時に解くものです。そして、難病を初め、5千名の方の、病状が改善されてきました。その中で、耳鳴りや難聴、関節リウマチやジストニア、橋本病などさまざまの症状を200種を超えています。しかし未だオルゴール療法が触れていない病気も多く、それらを全てに渡って改善する臨床例をもっておりません。脳の自然治癒力が多くの病状を改善する原理は多くの改善症例からみて正しく、確かに手応えを感じて、おすすめしてきましたが、病状の改善に多くの可能性はもっているものの、すべての病状を解くと言い切るには、未だ次期早尚だと考えています。希望を持って取り組まれることを、お勧めしますが、確実性は今の段階で保証できない状況をご理解ください。